「こころ澄まし 寺社へ参る」

「こころ澄まし…」〜『くれよん』(2011年3月号)より

愛知県一宮市全域と、稲沢市、江南市の一部に20万5千部配布されている『くれよん』という生活情報誌があります。地元の生活に密着した生活情報が満載されており、ほぼ全世帯に無料配布されている注目度の高い雑誌です。

3月号のトピックスとして「こころ澄まし寺社へ参る」(自分を見つめ、新たな自分を見つける)というテーマを企画され、その中で、坐禅が出来るお寺として、取材のお申し込みを頂きました。

 ライターの高井美雪様が、翌日は大雪となった1月15日(土)の早朝、坐禅会の写真撮影とインタビューの為、訪れて下さいました。

 この写真は、4時55分に2回目の坐禅が始まってから30分ほど経った頃、高井様がそうっと入っていらして撮って下さったものですが、坐禅の清々しさが伝わってくる大変素晴らしい写真ですね。

写真撮影の為に、坐相をチェックすることもなく、普段通りの姿で、これだけきちんと写るのは、皆様の普段の修行の賜物と、道場の主催者として、感謝の気持ちでいっぱいです。このような機会でもないと坐禅中の写真を撮るなどというようなことはありませんので、高井様、『くれよん』様には心から御礼申し上げます。

(右の画像をクリックすると拡大してご覧になれます。)

こころ澄まし 寺社へ参る

一宮市の住吉にある常宿寺は、界隈が南木と呼ばれた集落だった頃から、地元に人々に親しまれてきたお寺さん。毎日早朝に「坐禅会」を開き、熱心な参禅者が通う曹洞宗の尼寺でもある。

夜明け前、坐禅会が始まり、静寂に包まれた本堂はどこか清々しい、凛とした緊張感を漂わせる。「坐禅は自分を見つめる最適な行い」とは岡本慧光住職。坐禅は、その姿勢をとり、心を静めて呼吸に集中する事で、自分の中に注意を向けていく。簡単そうだが、実際はとても難しい。しかし、坐禅を続けていくことで、自分の内側を見つめられるようになり、やがては自分の欲や感情を客観的に観察できるようになるという。

「正直なところ、坐禅は誰でも続けられるというものとは言えませんが、続けていくうちに、自分の気持ちや置かれた状況を冷静に受け止められるようになります。そうなれば、今より楽に生きられるのでは」と住職。坐禅の世界は奥深いが、このストレス社会の生きづらさを解消あるいは軽減してくれる方法の一つであるともいえるようだ。

坐禅を始める前と今ではどんなことが変わりましたか?

  • •パニック状態になっても、坐禅の呼吸をすると心が落ち着きます。焦って失敗をすることがなくなりました。
  • •自分を客観視できるようになってきたように思います。便通もよくなりました。
  • •悩んでいた腰痛がすっかり治りました。
  • •身体のつくり、内側を意識するようになりました。
  • •人を恨んだり、過去を悔やんだりしなくなりました。
  • •酒で気を紛らわすタイプだったのですが、お酒を飲まなくなりました。
  • 坐禅の姿勢と呼吸について

    心を静めて呼吸に集中する坐禅。住職によると、「深い呼吸ができるような姿勢を保てることが、坐禅の良さを知る近道」という。つまり坐禅のポイントは姿勢呼吸

    「深い呼吸ができる坐禅の姿勢」は、上に図解したとおり。ただこの姿勢は、下半身、特に仙骨の動きの軸となる仙腸関節の柔軟性も必要。開脚や前屈などのストレッチを、毎日少しずつでも続けることも大切だという。

    呼吸は、ゆっくりと吐く息に集中する深い呼吸を目指す。1分間で3呼吸が目安。15秒ほどかけてゆっくり鼻から息を吐くようにする。

    正しい坐相(坐禅の姿勢)は、なかなか習得することは難しく、指導者のもとで得ることが理想的だという。坐禅に関心があるなら、まず深い呼吸とストレッチを始めるだけでも、自分の体に目を向けることになり、健康づくりにも、自分の内面を見つめることにもつながっていくという。

    1. ■今月の標語
    2. ■坐禅を科学する
    3. ■非思量
    4. ■悟りとは
    5. ■「元気のひけつ」
    6. ■「こころ澄まし…」
    7. ■坐禅会
    8. ■お寺でヨーガ
    9. ■写経会
    10. ■永代供養万霊塔
    11. ■お問合せ/地図
    12. ■常宿寺の歴史
    13. ■リンク